エレキ使用時にリチウムイオンバッテリーの注意ポイント
目次
はじめに
カヤックに限らず、ゴムボなんかでもエレキモーターを使用している方も
居ると思いますが、エレキモーターの場合電源はバッテリーになります。
以前はバッテリーと言えば、いわゆる鉛バッテリーが普通でしたが、
今は少しお高くなりますが、かなり軽量なリチウムイオン系バッテリーを
使用していらっしゃる方もいるのではないでしょうか。
私もその一人になります。
私のようなカヤックの場合は、カヤックに乗せる重量が重くなるほど
機動力や速度が落ちます。ですから少しでも軽量にしたいのは
皆さんも同様かと思います。
バッテリー残量表示の問題点
しかし一般的なエレキモーターは基本的には、
鉛バッテリーを前提で製造されています。
何を指摘したいかと言うとエレキモーターの『バッテリー残量表示』になります。
まず以下のグラフをご覧ください。
これは鉛バッテリーとリチウムイオン系バッテリーの電圧の推移です。
見ての通りですが、赤線の鉛バッテリーは徐々に電圧が低下しますが、
それに対して青線のリチウムイオン系バッテリーは
電圧降下が少なく最終段階になって急速に降下する点です。
2点目が、そもそも同じ12Vのバッテリーでありながら、
鉛バッテリーに対してリチウムイオン系バッテリーの方が
通常時の電圧がかなり高いという点の2点になります。
鉛バッテリーの場合バッテリーの残量が低下すれば、
エレキモーターも残量表示にそれが反映します。
製品によって異なりますが、
バッテリー残量100%時は12V〜12.5Vあたりで、
50%時は11.5V前後だと思われます。
しかしリチウムイオン系のバッテリーの場合どうでしょうか?
上記の通りそもそもリチウムイオン系のバッテリーは基本電圧が高いため、
12Vを下回った場合のバッテリー残量は10〜20%前後だと思われます。
最悪の場合は残量表示がマックスだったのに、
突然動かなくなる可能性も考えられます。
もしバッテリー残量表示のメモリが一つでも消灯した場合、
残量が残り僅かなのは間違いありません。
仮にそれでかなり沖に出ていた場合、他に動力がない場合は
岸に戻れない可能性が高くなってしまいます。
ですのでリチウムイオン系バッテリーを利用している場合、
エレキモーターの残量表示は全くあてにならないのでご注意ください。
対策方法
上記理由からリチウムイオン系バッテリーを利用する場合は、
正確な電圧を常に把握する必要があります。
しかしそれはそんなに難しい事ではありません。
アマゾンなどでも電圧計は簡単に安価で入手できます。
それをバッテリーにつないで、見やすいところに設置するだけです。
例えばこんな商品です。
配線が短ければ、自身で配線を足してください。
防水でない商品はさらに安価で入手可能です。
自身で防水処理するのも良いかもしれません。
リチウムイオンバッテリーの性能も様々なので一概には言えませんが、
電圧が13Vあたりを下回ったら終了して岸に戻るか、
岸の近くに移動するのが安全です。
鉛バッテリーだったら12.5Vはまだいけますが、
リチウムイオンバッテリーだったら枯渇寸前です。
実際に13Vになってからどの程度、エレキがまだ稼働するか
実験してみると良いと思います。
その時間に応じて、安全な航行計画をたててみてください。
*魚探には電圧を表示する製品もあるので、
魚探とエレキが同じバッテリーに接続している場合は、
そちらの電圧表示を注視しても良いと思います。